食の新ビジネス四方山話
冷凍食品が伸びている
2023.03.22
最近、スーパーの冷食売場って増えていませんか?例のガラス張りの冷凍庫?大きくなっていますよね。冷凍自販機とかも話題になっています。餃子とかラーメンが多かったけど、最近はチーズケーキからハンバーガーまで多種多様です。
日本冷凍食品協会による2021年の冷凍食品市場は高単価の商品が支持されたようです。冷食はネット通販などを中心に売上を伸ばしています。元々、冷食は市販用ではなく、業務用(事業者間)の流通の為に冷凍され流通していました。例えばファミレスのセントラルキッチンから各店舗へ。フランチャイズ本部から各加盟店へなど。
ただ、ここ数年、市販用の国内生産が増えています。2020年に初めて市販(家庭用)の金額が業務用を超えました。冷食が伸びている要因は二つあります。一つは社会的要因。もう一つは技術的要因です。まず社会的要因ですが、キーワードは「女性の社会進出」「コロナ」この二つです。日本のお母さんは忙しいのです。そのお母さんの助っ人が「総菜」と「通販」です。中食(総菜)という言葉が生まれたのは10年ぐらい前ですが、この10年で市場規模は10兆円になりました。ちなみに外食の市場規模は26兆円です。次に通販です。2021年の食品の通販市場は前年度比13.1%増の4兆3,057億円。その中でEC市場は17,000億円(39.7%増)です。美味しい・高品質な食品のお取り寄せ需要が高まっています。ここでも冷食が増えています。増えている理由の1番は「便利」です。惣菜も通販もお母さんには便利なサービスです。冷食も保存が効いてこれもまた便利なサービスです。
二つ目の技術的要因は冷凍食品を解凍してもおいしく食べられるように「冷凍前の下処理」「冷凍技術」「冷凍食品の配送」「解凍技術」の4つ技術が進化です。もう一つ、小型の急速冷凍機の登場です。そもそも、冷凍食品は食品工場レベルでないと製造できなかった商品です。それが何十キロ単位で作れるようになりました。そのことで冷食を製造する中小の飲食店や食品メーカーが急増しました。ただ、小型の急速冷凍機と言っても冷凍冷蔵庫ぐらいの大きさがあります。価格も安くて100万円、高機能機種だと300万円ぐらいします。中小企業には簡単に手を出せるものではないです。
調理には多くの食材と多くの調理方法があります。冷凍がその組み合わせすべてに適している訳ではないですが、僕の感覚では先ほど述べた4つの技術の組み合わせで80%以上の料理はおいしく冷凍できるように思います。
日本のグルメが冷食で世界をマーケットにする時代はそこに来ています。