食の新ビジネス四方山話
小さなお店だからこそ「冷凍食品」
2023.05.05
前回も冷凍食品の話をしましたが、コロナが明けようとしている今も冷凍食品のマーケットは熱いです。今まで冷凍食品と言えば、スーパーや百貨店の冷食売場を思い浮かべましたが、これからお話しするのは小さな飲食店の冷凍食品です。
まずはインターネットの中の話です。ぐるすぐり、ひとさらCHEF’S MALL、って聞かれたことがあると思います。この二つはわかりやすく言えば「食の楽天」です。ぐるすぐりはぐるなびさん、ひとさらCHEF’S MALLはあのUSENさんの食のお取り寄せサイトが運営しています。ぐるなびさんもUSENさんもどれもリボン型ビジネスモデルです。リボン型ビジネスモデルとは、ユーザと事業者の間に立ち、プラットフォームとして両者をつなぐビジネスモデルです。「お店を探している人」と「お店」をつなぐ(リボン)モデルです。彼らはそこで開拓した全国の飲食店に対してお取り寄せサイトを提案しています。
変わりどころでは、この4月にワコールさんが同じくお取り寄せサイト「ワコールスプーン」をオープンさせました。「女性の美を食べモノから」というコンセプトです。
このお取り寄せモデル、他にもいくつかあるのですが、きっと、どの企業もビジネスチャンスだと思っているのでしょうね。僕もそう思っていますが(笑)
これらサイトでの提供商品は常温保存(レトルト)、冷蔵保存(チルド)、冷凍保存(フローズン)の3種類になっています。僕が調べた限りですが、これらのサイトで販売されているものの30%以上が冷凍食品になっています。そして、この冷凍食品がどんどん増えています。
理由は冷凍食品の方が常温や冷蔵より食品衛生法的に作りやすい。極論すれば営業許可のあるキッチンであれば誰でも作れます。(冷凍食品製造業許可については次のコラムを読んで下さい)
お取り寄せプラットフォームには小さなお店も多く出店しています。彼らはレトルトやチルドを作れる設備を持っていません。
そして、冷凍食品は他に比べて、賞味期限が圧倒的な長い。つまり、そんなに売る力がなくてもロスを少なくできる。つまり、小さなお店の味方なのです。